宇宙

火星移住計画は、もう始まっている

窓の外に広がる火星の基地を見つめる羊さんの後ろ姿

火星移住と聞くと、映画「オデッセイ」やSF映画の中の話に感じる人も多いと思う。

でも実際には、民間企業や各国の宇宙機関が本気で計画を進めていて、本当に人が火星に住む未来は決して絵空事じゃなくなってきているんだ。

とはいえ、火星移住計画がどこまで具体的に進んでいるのか、そして技術的にどんな壁があるのか、意外とちゃんと知らない人が多いんじゃないかな。

今回は、そんな火星移住計画の今とこれからを整理してみようと思う。

さあ、僕と一緒に未来を覗き見に行こう。

目次
  1. 火星移住が目指されている理由
  2. 火星移住計画は今どこまで進んでいるのか
  3. 火星移住の大きな壁になっている技術的な課題
    1. 移動時間の長さ
    2. 放射線からどう宇宙飛行士の身を守るか
    3. 火星で「自給自足」できる環境をどう作るか
  4. 火星移住の現実は、まだまだ時間がかかりそう
  5. まとめ
  6. 参考にした資料

火星移住が目指されている理由

そもそも、なぜ火星が移住先として選ばれているんだろう?

まず、火星は太陽系の中で地球に比較的近くて、他の惑星に比べると環境が地球寄りな部分がある。
そういわれることが多いせいか、フィクションの世界でも惑星地球化、つまりテラフォーミングされていることが多い。

そんな火星は1日(Sol)の長さが地球とほぼ同じ(約24時間39分35秒)で、季節も存在するんだ。
それだけじゃなくって、氷という形で水の存在も確認されていて、将来的に資源として利用できる可能性がある。

さらに、人類が地球以外にも生存拠点を持つということ自体に価値があるという考え方もあるみたい。

例えば、地球規模の災害が起きたときの保険的な意味合いだったり、宇宙開発技術そのものを発展させるための挑戦だったりと、理由は一つじゃないんだよね。

火星移住計画は今どこまで進んでいるのか

火星移住に向けたロケット打ち上げのイメージ画像

民間企業の中には、有人火星飛行を将来的な目標として掲げているところがあって、大型ロケットの開発・打ち上げ試験が繰り返し行われている。

国の宇宙機関側でも、まずは月を経由地点として活用して、そこで得た技術やノウハウを火星に応用していくという段階的なアプローチが進められているんだ。

ただし、これらはあくまで目標であって、今後何年に人類が火星に住み始めるという確定した予定じゃない。
技術的な課題がまだ数多く残っているのが実情なんだよね。

じゃあ、具体的にその課題ってどんなものなんだと思う?

火星移住の大きな壁になっている技術的な課題

移動時間の長さ

宇宙船内で長期間を過ごす宇宙飛行士のイメージイラスト

地球から火星までは、7か月前後かかる。

ただこの期間中の宇宙飛行士の食料・水・酸素をどう確保するか。
そして限られた空間で過ごす精神的な負担をどう軽減するか。

これが大きな課題になっているんだ。

ここで関わってくるのが、前回の記事でも紹介した人工冬眠(動物の冬眠を人間に応用する研究。宇宙飛行や医療に期待される。)の研究なんだ。

長期間の宇宙飛行中、乗組員を人工的に冬眠に近い状態にできれば、必要な資源を大幅に減らすことができる。

それだけじゃなく、閉鎖空間で過ごす体感時間そのものを短くできる可能性もある。
冬眠動物が持つ「エネルギー消費を抑えながら体を守る仕組み」の研究は、まさにこの火星移住計画にも直結するテーマなんだ。

宇宙開発の話をたどっていくと、思わぬところで生き物の話に繋がるって、なかなか面白いよね。

放射線からどう宇宙飛行士の身を守るか

地球は大気と磁場のおかげで放射線から守られているけど、宇宙空間や火星の地表は地球に比べて宇宙放射線の影響を強く受ける。

この宇宙放射線は人間にとっても少し関わりがあるものでもあるんだ。
例えば北極圏で見られるオーロラも、太陽から飛んできた荷電粒子(放射線の一つ)が地球の磁場に当たって見える現象なんだ。

そして僕らの空の彼方にいるISS(国際宇宙ステーション)の宇宙飛行士たちは、1日で0.5〜1ミリシーベルトの宇宙放射線を浴びているんだ。
地上で暮らす僕らが半年かけて浴びる量を、たった1日で受け取っている計算になる。

今の段階では生涯被ばく量として許容範囲を超えないよう管理しているんだけど、さっき話した人工冬眠で放射線耐性が上がる可能性がラットを使った研究で確認できているんだ。
(参考文献:ForbesJapan,「火星に向かう宇宙飛行士は人工冬眠すべき」という研究結果)

だから長期滞在する場合、この放射線からどう乗組員を守るかも重要な研究テーマになっているんだ。

火星で「自給自足」できる環境をどう作るか

火星でのドーム型居住施設と農業のイメージ図

移住が現実的になるためには、地球からの補給に頼り続けるわけにはいかない。

映画「オデッセイ」では、主人公が火星に取り残されてから火星の土壌を使った農業で苦戦する描写がある。
映画でありがちなフィクションにも思えるかもしれないけど、地球で作った模擬火星土壌を使った実験では、10種類のうち9種類が育って食べられる部分まで収穫できているんだ。

火星の土壌を使った農業のほかにも、酸素の生成、水の確保など、火星の環境だけで生活を維持できる仕組み…
この生活する上で必要不可欠な自給自足システムの研究も進められている。

移動手段、生命維持システム、放射線対策、自給自足の仕組み。
どれもひとつひとつが簡単には解決できない大きな課題なんだよね。

火星移住の現実は、まだまだ時間がかかりそう

現状を考えると、火星への有人飛行と言うこと自体は今後十数年のうちに実現する可能性があるといわれている。
けど、その一方で、大勢の人が生活する移住という段階までは、まだまだかなりの時間がかかると考えてもいいだろう。

それぞれの分野の研究がある程度成熟して初めて、移住という言葉が現実になるんだ。
だからSFで描かれるような火星の街並みは、まだ少し先の話なのかもしれない。

まとめ

火星移住は、もう完全にSFの中だけの話じゃなくなってきている。
ただ実際に人が住むところまでは、まだいくつもの技術的な壁を越える必要があるんだ。

そして面白いのは、これらの壁を越えるための研究が、宇宙開発だけにとどまらず、冬眠動物の仕組みの研究のように、地球上の生き物や医療の研究とも繋がっているということ。

そんな未来を覗き見ようとすると、思わぬところで話が繋がっていて、ワクワクするよね。

宇宙の話ととても関連が深い話が実はあるんだ。

次はもっと身近な話。
でも謎の多い場所に興味が向いてくる。

それが深海だ。

次回は、宇宙にも負けないくらい未知だらけの深海の話を紹介していきたいな。

今回も未来を覗き見れたかな?それじゃ、バイバイ!

参考にした資料

・放射線被ばく管理(JAXA 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター)

・Synthetic torpor protects rats from exposure to accelerated heavy ions(Scientific Reports, 2022年9月30日)

・Crop growth and viability of seeds on Mars and Moon soil simulants(Open Agriculture, 2019年)

夜中の鏡が怖い理由は霊じゃなく、僕らの目がサボるからだ

この記事を書いた人

sh33p

生き物・宇宙・地震…気になるサイエンスに手を出しまくる好奇心の塊🐑
「未来を覗き見る」をテーマに、身近な不思議から壮大な話まで、調べて分かったことをゆるく発信中。
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