生き物

この生き物のすごさが医療を変える?未来につながる5種

クマムシ・タコ・コウモリ・ミツバチ・サメに囲まれて微笑む羊さん

地球上には様々な不思議な能力を持った生き物たちがいる。

例えば身近な生き物だったらカラス。
このカラスはとても頭がよくて人で例えると6歳前後の子供と同じくらいの知能を持っているって言われているんだ。

他にも夏に近づくと僕らの血を吸いに来る厄介な虫の代表格、蚊。
なぜか蚊に刺されても痛くないよね?
この蚊の口(口吻)はノコギリ状のギザギザとした口になっているので刺されたときの痛みが最小限に抑えられている…。

そんな色々な特徴を持つ生き物たちだけど、実は人間の医療の未来を変えるかもしれないと聞いたら、どんな生き物を思い浮かべるかな?

この不思議な生き物の仕組みが実際に医療や技術の研究テーマとして本気で取り組まれているんだ。

というわけで今回は、未来の医療につながる可能性を秘めた生き物を5つピックアップして紹介していこうと思う。

それでは、生き物たちが見せてくれる未来を覗き見に行こう。

目次
  1. 1. クマムシ ― 「乾燥しても死なない」を医療に活かす
  2. 2. タコ ― 足が「考える」という不思議
  3. 3. コウモリ ― ウイルスと「共存」できる免疫の秘密
  4. 4. ミツバチ ― 痛くない注射針のヒント
  5. 5. サメ ― 細菌が付きにくい皮膚の構造
  6. 生き物を知ることは、未来を覗き見ること
  7. 参考にした資料

1. クマムシ ― 「乾燥しても死なない」を医療に活かす

クマムシのイメージ図

クマムシ。体長は1mm以下の微小な生き物なんだけど、この生き物はとにかく規格外に頑丈にできてる。

水分がほぼゼロの状態になっても死なないで乾眠状態という状態になって、水を与えるとまた動き出す。

それだけじゃなくって、極端な低温や高温、さらには空気がない真空状態にすら耐えることができるんだ。

もはや「生き物」のルールをすらも無視してる感じがするよね。

それで、この仕組みがどこで注目されているかというと、バイオ医薬品や生体サンプルの乾燥保存技術なんだ。

世の中にある多くのワクチンって、低温での保管が必須。
ただこれが発展途上国への輸送や普及を難しくしている大きな要因の一つになっているんだ。

そこでこのクマムシが持つ乾燥への耐性を応用できれば、冷蔵庫なしで薬や生体サンプルを保存できるかもしれないんだ。

このスケールの小さい生き物が、スケールの大きい問題を解決するかもしれないというのは、なかなか面白い話だと思わないかな?

2. タコ ― 足が「考える」という不思議

タコの足のイメージ、または神経が分布している様子の図解

お寿司の定番としても有名なタコは、足を失っても再生することがある。
もちろん足や体の一部がなくなっても再生する生き物はたくさんいるけど、もっと面白いのは脳の構造。

タコには中枢脳と言う頭部にある脳の他に、足にもたくさんの小さな脳(神経の塊)を持っているんだ。

この小さな脳は、足ごとに自分で判断して動くような働きを持っていて、頭部の大きな脳で全部の足をコントロールするんじゃなく、それぞれ分散して足を動かしているんだ。

この働きが再生医療や神経科学の分野で注目されている。

例えば、神経がどうやって再生するのか、そのプロセスを解明することは、事故で脊髄損傷などの神経を損傷した患者さんの治療法開発にもつながりうる研究テーマにもなっているんだ。

足が考えるなんて聞くとまるでSFっぽい話だけど、生き物の世界ではわりと当たり前なのかも?
僕ら人間がそこから学べることは、未知数だね。

3. コウモリ ― ウイルスと「共存」できる免疫の秘密

コウモリが飛んでいる様子の写真

夜になるとビュンビュンと飛び回ってる小さなコウモリたち。

このコウモリって、実は多くの病気を引き起こすウイルスを体内に保有しているのに、なぜか自分自身は発症しないんだ。

じゃあなんで発症しないのか?
一つの有力な説が、長時間の飛行という激しい運動をすることによって高い代謝を手に入れたって言われてる。

この高い代謝を使って炎症反応をうまく抑制する免疫システムを進化の中で獲得したという説。
炎症を起こしすぎない、でもウイルスにはやられない。
このバランスを進化の過程で手に入れたんだ。

この炎症を抑えながら病原体と共存するメカニズムは、ウイルス研究だけじゃなく、人間の老化や慢性的に続く炎症に関わる病気の治療や研究にもヒントを与える可能性があるって言われてる。

慢性炎症っていうのは、人間にとって身近な生活習慣病やがんなど、いろんな疾患のベースにあると言われている問題なんだよね。

このコウモリの免疫から何かを掴めたら影響はかなり広くて、この分野は今後もっと注目されるかもしれない。

4. ミツバチ ― 痛くない注射針のヒント

ミツバチの針のクローズアップ、または群れの写真

甘い甘いはちみつを作り出してくれる小さな妖精、ミツバチ。
西洋では幸運をもたらす妖精としてモチーフにもなったりするんだって。

このミツバチ、とても小さいけど鋭い針を持ってるのはみんな知ってるよね。

この針をじっくり見たことがある人は少ないと思うけど、実は針先が細かいギザギザ構造になっているんだ。
冒頭でも話した蚊の口と同じで、このギザギザのおかげで、刺さるときの抵抗が分散されて痛みが抑えられつつ刺すことができる。
そしてこの針はかえしがあって、このかえしが刺した場所に針が残るようになってる。

そしてこの針の構造をヒントに、痛みの少ない注射針の開発研究が進められているんだ。

注射が嫌いな人って結構多いよね?
僕もそうなんだけど、痛くない注射ができたら少しはマシになれるよね。

こういう生体模倣、バイオミミクリー(生き物の構造や仕組みをヒントに技術を開発すること。)って言うんだけど、この生態模倣で医療器具が開発されているんだ。

そしてミツバチにはもう一つ注目ポイントがあって、群れ全体で情報をやり取りしながら意思を決定する群知能(個体が集まり、群れ全体で高度な判断をする仕組み。)というの仕組み。

このみつばちの群知能は医療分野だけじゃなくて、ロボット工学やAIなどでも使われるアルゴリズム開発など幅広い応用が期待されて研究されている分野なんだ。

一匹一匹は小さいのに、集まると高度な判断ができて、タコの分散型知能とはまた違った知性で生きてる生き物なんだね。

5. サメ ― 細菌が付きにくい皮膚の構造

サメの皮膚の微細構造をイメージした図解

そして最後は、海で恐れられることの多いサメのこと。

サメの皮膚といえば鮫肌を思い浮かべる人が多いと思うけど、実はその皮膚にも特殊な能力があったりするんだ。
サメの他にもエイなんかもそうなんだけど、皮膚には楯鱗(じゅんりん)と呼ばれる一般的な魚の鱗とは違った構造をしていて、この表面には細菌が付着・繁殖しにくいという特徴があるんだ。

そしてこの楯鱗の構造を応用して、病院内の手すりやドアノブなど、細菌が繁殖しやすい場所向けの抗菌素材を開発する研究が行われているんだ。

この抗菌プレートはアメリカの病院で、壁に貼って使われているんだ。今後は壁紙やエスカレーターの手すりにも広げていく構想があるらしい。

身の回りの「抗菌」表示の多くは別の技術だけど、サメ由来のものはマウスパッドやスマホケースとしても商品になっていて、病院の壁ではもう働いているんだ。

そしてこの抗菌ができる素材は、院内感染のリスクや人の手が触れる場所での感染リスクを減らせるという観点で考えると、医療現場にとってはかなり実用的で僕らの身近な技術でもあるんだ。

未来の医療って、こうもっと派手な手術ロボットや万能薬だけじゃなくて、こういう感染を未然に防ぐという地道なインフラ側の進化の裏側にもあるんだ。

そしてそのサメの皮膚がそのヒントになっているというのは、なかなか面白い話だと思わない?

生き物を知ることは、未来を覗き見ること

今回紹介した5つの生き物は、クマムシ、タコ、コウモリ、ミツバチ、サメ。
それぞれ全然違う環境で、違う特徴を持っている生き物たちだけど、共通していることが一つある。

それは、何千万年という進化の中で磨き上げられた仕組みが、人間の技術よりも何歩も先を行っているということ。

僕たちが最先端だと思っている医療技術も、生き物の世界では実は当たり前だったりするのかも。

そう考えると、生き物を観察することは単なる好奇心の満足じゃなくて、未来へのヒントを手に入れるきっかけなのかもしれない。

こういう「生き物と未来」をつなぐ話題は、これからも見つけたら紹介していけたらいいな。

今回も未来を覗き見れたかな?それじゃ、バイバイ!

参考にした資料

・クマムシ耐性タンパク質によるストレスに応答した細胞の硬化(東京大学医科学研究所, PLOS Biology)

・コウモリがウイルスの自然宿主になりやすい仕組みを解明(名古屋大学, Virus Genes, 2021年8月25日)

・細菌を寄せ付けない!?生物の驚くべき体表面加工(生物工学会誌 第93巻)

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この記事を書いた人

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生き物・宇宙・地震…気になるサイエンスに手を出しまくる好奇心の塊🐑
「未来を覗き見る」をテーマに、身近な不思議から壮大な話まで、調べて分かったことをゆるく発信中。
専門家じゃないからこそ、初心者目線でわかりやすさを大事にしてます。
記事はAIと一緒に下書きし、数字や年号は参考資料にあたって確認したうえで、最後は僕が読んで公開しています。

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