「世界一ブサイク」と呼ばれる深海魚はなぜあの姿になったのか

深海

宇宙よりも僕らにとって身近な存在である海。
身近な存在なのに、実は宇宙よりも謎が多い存在でもあるんだ。
僕らが普段食べている魚や海藻がある海だけど、水深200mよりも深い場所は別世界になっている。
それを深海と呼ぶんだけど、意外なことにその深海って宇宙より謎だらけって知ってた?

宇宙って聞くと「まだまだ謎だらけ」ってイメージがある人多いと思う。
ところが、宇宙よりももっと近い存在の深海の方が、宇宙より謎に包まれているって不思議だよね。

人類はこれまでに有人での月面着陸は6回も成功していて、火星の地表も探査機をいくつも送り込んでかなり詳しく地図化されてる。
それなのに、僕らが住む地球の海の大部分は、まだ人の目でちゃんと見られていないんだ。

そんな宇宙よりも近くにあるはずなのに、謎が多い深海を今回は覗いてみよう。

僕と一緒に深海にまつわる話、そしてこれからの未来を覗き見に行ってみよう。

深海魚が「ブサイク」に見える理由は、水圧と暗闇への進化にあった

浅海と深海の違いを紹介する画像

僕らが普段目にしている海は、俗には浅海(せんかい)と呼ばれる、字の如く浅い海を指している。
もちろん僕らが食べている魚たちの中にも深海に住んでる魚はもちろんいるけど、その浅海と深海では環境がまるっきし違うんだ。

そんな環境の違いからか、深海に住む生き物は、見た目のインパクトがすごいものが多い。

そもそも深海は、水深200mより深い海を指すんだ。
水深200mということは、上にある水の影響で強い水圧が発生し、光も通らない真っ暗な環境、そして限られたエサしかない。
そんな過酷な世界に適応するために、深海魚は独特な進化を遂げてきたんだ。
その結果、思わずかわいいと言いたくなるような丸っこいフォルムの魚もいれば、ちょっと怖いと感じるような鋭い歯を持つ魚もいる。

実際、深海魚ブームのおかげか、かなり多くの人に興味を持ってもらえることが最近はすごく増えてるらしい。
それはメンダコダイオウグソクムシのような可愛い深海魚の影響なのか、それともブロブフィッシュのような醜い、キモいと評される魚のせいなのか…。
それらについても今回は触れていこう。

個性的すぎる深海生物たち

深海魚の見た目のバリエーション、実際に何種類か見てみるとさらに面白いよ。ここでは特に個性が際立つ4種類を紹介するね。

ブロブフィッシュ

水中と陸に揚げられたブロブフィッシュ

世界一ブサイクな生き物なんて呼ばれることもあるブロブフィッシュ。
ネットの画像でよく見られるだらんと垂れ下がった状態の姿は陸に揚げられることによって起きる水圧変化のせいで起こる姿だけど、実は深海の高水圧下ではもっとしっかりした体型をしているんだ。

ゼリーのような柔らかい体は、深い海の水圧に耐えるためにできていて、地上や浅い場所の生き物とは全く違う進化を遂げてる証拠でもあるんだよね。

ダイオウグソクムシ

大きいダンゴムシ、ダイオウグソクムシの画像

ダンゴムシやワラジムシの仲間の巨大版、ダイオウグソクムシ。
全長は最大で50センチ近くにもなる、深海の掃除屋さんだ。

エサが少ない深海で生き抜くために、一度食事をすると長期間絶食できる体を持っているのが特徴。

水族館で「何年も何も食べていない」なんて話題になることがあるのは、この省エネ体質のおかげなんだ。

ただ悲しいことに2026年7月、三重県にある鳥羽水族館の最後の1個体だったダイオウグソクムシが死んでしまったんだ。

19年間展示を行っていて、ダイオウグソクムシブームの火付け役でもあった同水族館。No.34がいなくなったことで、しばらくは展示自体が休止になるみたいだね。

メンダコ

メンダコをつつく羊さんの画像

見た目の可愛さからグッズ化されることが多く、まるでアニメのキャラクターのような丸っこいフォルムが人気のメンダコ。

耳のように見える部分をひらひらと動かしながら泳ぐ姿は、深海生物の中でもかなり愛らしい部類に入ると思う。

タコの仲間だけど、一般的なタコのように墨を吐いたり素早く動いたりすることはほとんどなく、ゆったりとした動きで深海を漂うように暮らしているんだ。

後述する沼津港深海水族館では、時期にもよるけどメンダコの展示が行われることもあるよ。

シーラカンス

シーラカンスをみて驚く羊さんの画像

そして最後に紹介したいのが、「生きた化石」として知られるシーラカンス

仲間の化石は約4億年前のものまで見つかっていて、一時は絶滅したと考えられていたんだけど、1938年に生存が確認されて世界中を驚かせた生き物なんだ。
その希少性と神秘性から、深海生物の中でも特別な存在として扱われることが多いんだよね。

近年の研究では寿命は100年ほどとみられていて、大人になるまでに40年以上かかるらしいんだ。
それでもまだ分かっていないことが多い生き物で、深海という環境のせいもあって実際にカメラで観測されることもすごく稀なんだ。

ただ、このシーラカンスの冷凍標本が世界で唯一見れる水族館があるんだ。
それが静岡県にある沼津港深海水族館。

その他にも様々な深海魚に会える場所ってどんなところなんだろう?

日本で唯一深海に特化した沼津港深海水族館

沼津港深海水族館入り口
画像引用:沼津深海水族館 (https://www.numazu-deepsea.com/)

不思議な生態を持つ深海生物をもっと身近に感じることができる日本で唯一の水族館が静岡県沼津市にある沼津港深海水族館

ここは駿河湾の深海生物を専門的に展示している水族館なんだ。
静岡県に面する駿河湾は最大水深が2500メートル近くあって、日本でも有数の深さを誇る湾。
だからこそ、他の水族館では見られないような珍しい深海生物に出会える場所になってるんだよね。

そして沼津港深海水族館の周りにはここでしか食べれない海鮮がたくさんあったり、すぐ目の前が沼津港と言うこともあってその日に取れた魚が市場で売られているんだ。
ここだけで1日潰せちゃう。

ちなみに僕のおすすめは水族館の近くにあるシーラカンスCafeの深海もなかがおすすめだよ!

深海に興味を持ったら、一度足を運んでみるのも面白いんじゃないかな。

深海魚はなぜ赤や黒の体が多いのか

ここで一つ、深海魚を見ていて気になることがあるんだけど、メンダコやダイオウグソクムシなんかを見てもわかる通り、赤っぽかったり黒っぽかったりする子がすごく多い。

実はこれ、深海という環境に合わせた、ちゃんとした理屈のある進化の結果なんだ。

海の中では、波長の長い赤い光から順に吸収されていって、水深100mまで潜ると赤い光はもう届かないんだ。

つまり深海では、赤い体は光がないのと同じで、周囲からはほぼ黒に見えるんだ。つまり赤い体色は、捕食者から身を隠すためのカモフラージュなんだ。

じゃあ透明ならもっと見つからないんじゃないかと思うよね。

これがまさにその通りで、もっと深いところまで潜ると、体が透き通った生き物が増えてくるんだ。
透明なら反射する色そのものがないから、赤とはまた別のやり方で姿を消していることになる。

逆に目立ってしまうのが、青い体なんだ。
青は水中でいちばん遠くまで届く光だから、青い体は周囲の青をそのまま跳ね返してしまう。

深海で青いと、かえって捕食者の目に入るんだよね。

一方で、黒っぽい体をした深海魚もいる。
これも同じ理屈で、数少ない青い発光を放とうとする他の深海生物に対して、光を吸収して影になることで姿を消すというわけだ。

つまり深海魚の体色は、ただの偶然じゃなくて、光の届かない暗闇の中で生き抜くための、先人たちの技の集大成とも言えるんだよね。

深海の暗闇の先に広がる未来

僕らの暮らす地球にありながら、まだわからないことだらけの世界である深海。

強い水圧や暗闇、少ないエサといった過酷な環境に適応した結果、深海生物たちはかわいくもあり、怖くもある、不思議な姿へと進化してきたんだ。

ブロブフィッシュやダイオウグソクムシ、メンダコ、そしてシーラカンス。
見た目も生き方もまったく違うけど、どの生き物も深海という世界の奥深さを教えてくれる存在だと思う。

そしてこの深海の秘密を解き明かすことによって地球の神秘と謎を解き明かすヒントにもなるんだ。

そんな深海生物たちを身近に感じられるのが、沼津港深海水族館。
写真だけでは伝わらない姿や動きを実際に見れば、「怖い」と思っていた生き物がかわいく見えたり、逆にその迫力に驚いたりするかもしれない。

深海には、僕らがまだ知らない生き物や景色がきっとたくさん残されている。
この記事をきっかけに少しでも深海が気になったなら、ぜひ沼津を訪れて、その不思議な世界を自分の目で覗いてみてほしい。深海を覗き込むことは、僕らがこれから向かう未来を覗き込むことでもあるんだと思う。

今回も未来を覗き見れたかな?それじゃ、バイバイ!

参考にした資料

・ダイオウグソクムシ展示休止のお知らせ(鳥羽水族館 飼育日記, 2026年7月14日)
 https://aquarium.co.jp/diary/2026/07/77365

・Why are so many deep-sea animals red in color?(NOAA Ocean Exploration)
 https://oceanexplorer.noaa.gov/ocean-fact/red-color/

・New scale analyses reveal centenarian African coelacanths(Current Biology, 2021年)
 https://doi.org/10.1016/j.cub.2021.05.054

・How does depth affect the color of marine animals?(NOAA Ocean Exploration)
https://oceanexplorer.noaa.gov/ocean-fact/animal-color/

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